「赤ちゃんがなかなか寝てくれない」「夜中に何度も起きてしまい、親も寝不足…」そんな悩みを抱えているご家庭は多いのではないでしょうか?
赤ちゃんの睡眠リズムは成長と密接に関係しており、適切な睡眠をとることで、心身の健やかな発達を促すことができます。しかし、新生児期から乳児期にかけての睡眠パターンは大人とは大きく異なり、試行錯誤しながら対策を立てる必要があります。
今回は、赤ちゃんの睡眠リズムを整えるために親ができる具体的な方法を、科学的な視点を交えて解説します。「どうしたら赤ちゃんがぐっすり眠れるのか?」そんな疑問を持つ方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
赤ちゃんの睡眠リズムの基本
1. 新生児期(0〜3か月)
生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜の区別がなく、1回の睡眠時間は短いものの、一日合計16〜20時間程度眠ります。睡眠サイクルが短く、約50〜60分ごとに目を覚ますのが特徴です。
2. 乳児期(4〜12か月)
生後4か月を過ぎると、徐々に夜にまとまった睡眠をとるようになり、昼夜のリズムが確立し始めます。この時期には、夜に6〜8時間連続で眠る赤ちゃんも増えてきます。
3. 幼児期(1〜3歳)
1歳を過ぎると、夜に10〜12時間程度の睡眠をとるのが一般的になり、昼寝の回数も減少していきます。理想的な睡眠習慣を確立するには、この時期に一定の睡眠ルーチンを作ることが大切です。
赤ちゃんの睡眠リズムを整えるためのコツ
1. 昼と夜の区別をつける
赤ちゃんの体内時計は、生後数か月で徐々に発達します。昼と夜の区別をつけるために、次のような工夫をしましょう。
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朝はカーテンを開けて自然光を浴びる
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昼間は活動的に過ごし、夜は静かで落ち着いた環境を作る
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夜間の授乳やおむつ替えは最低限の光と音で行う
2. 一貫した寝る前のルーチンを作る
毎晩同じ流れで寝る準備をすることで、赤ちゃんの脳に「そろそろ寝る時間」と認識させることができます。以下のような習慣を取り入れてみましょう。
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ぬるめのお風呂に入れる(体温が下がるタイミングで眠気が促進されます)
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絵本を読む、子守唄を歌う(静かな音楽や親の声がリラックスを促します)
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部屋を暗くし、適切な温度・湿度に調整する(理想は20〜22℃、湿度40〜60%)
3. 寝る環境を整える
赤ちゃんが快適に眠れる環境を作ることも重要です。
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適切な寝具を選ぶ(柔らかすぎる布団は窒息のリスクがあるため、固めのマットレスを推奨)
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静かで暗い部屋を作る(真っ暗でなく、ほんのり暗い環境がベスト)
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ホワイトノイズを活用する(換気扇の音や波の音など、一定のリズムの音が赤ちゃんを安心させる)
4. お昼寝の時間を管理する
昼寝の時間が長すぎると、夜に寝つきにくくなることがあります。以下の目安を参考に、適切な昼寝の時間を確保しましょう。
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生後4〜6か月:1日3回、計3〜4時間程度
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生後7〜12か月:1日2回、計2〜3時間程度
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1歳以降:1日1回、計1.5〜2時間程度
5. 夜泣きの対処法
夜泣きは、多くの赤ちゃんが経験するものですが、次のような対策を試すことで改善することがあります。
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すぐに抱き上げず、少し様子を見る(赤ちゃんが自分で眠りにつく力を育てる)
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おくるみで包む(安心感を与える)
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一定のリズムで優しくトントンする(心拍に似たリズムが赤ちゃんを落ち着かせる)
まとめ
赤ちゃんの睡眠リズムを整えるには、昼と夜の区別をつけること、一貫した寝る前のルーチンを作ること、適切な寝環境を整えることが大切です。親御さんがちょっとした工夫をするだけで、赤ちゃんはより良い睡眠をとれるようになり、結果的に家族全体の生活の質が向上します。焦らず、少しずつ試してみてくださいね。
参考文献:
FERBER, R. (2006). SOLVE YOUR CHILD'S SLEEP PROBLEMS. SIMON & SCHUSTER.MINDELL, J. A., & OWENS, J. A. (2015). A CLINICAL GUIDE TO PEDIATRIC SLEEP: DIAGNOSIS AND MANAGEMENT OF SLEEP PROBLEMS. LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS.
SADEH, A. (1996). "EVALUATING NIGHT WAKINGS IN SLEEP-DISTURBED INFANTS: A METHODOLOGICAL STUDY." SLEEP, 19(10), 757-762.